ボヘミアン ラプソディ/原題 Bohemian Rhapsody

伝説のバンド<クイーン>

その生き様が世界えた、感動の物語

〓DATE

2018.11.11(日) 10:00  Screen10

〓FILMMAKERS

監督:ブライアン・シンガー、デクスター・フレッチャー 音楽総指揮:ブライアン・メイロジャー・テイラー 製作会社:20世紀フォックス 配給:20世紀フォックス 公開:2018.10.24(英国) 2018.11.2(米国) 2018.11.9(日本)

〓CAST

ラミ・マレックフレディ・マーキュリー)、グウィリム・リー(ブライアン・メイ)、ベン・ハーディ(ロジャー・テイラー)、ジョゼフ・マゼロ(ジョン・ディーコン)、ルーシー・ボイントン(メアリー・オースティン)

〓閲覧年齢制限

なし

〓 ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 クィーンのボーカル&ピアノを担当したフレディ・マーキュリーを中心に、バンド発足からフレディが亡くなるまでを描いた作品、アフリカライヴエイドでフレディと10万人の観客の大合唱となるコンサートシーンは圧巻、心が震える感動のラストシーンだ。

 「ボヘミアン・ラプソディ」の誕生が詳しく描かれる、演奏時間6分ではラジオは流してくれない・・、歌詞の意味が分かりにくい・・、オペラとロックの融合なんて・・、EMIの確実を狙うステレオタイプの方針とは意見が食い違う。 しかし、メンバー全員が口を揃えて言う「過去と似た曲調の曲は作らない、それがクィーンだ!」、知り合いのラジオDJに「ボヘミアン・ラプソディ」を紹介して意見を求めたところ、6分の曲を流すのを心良く快諾してくれたのだった。

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 クィーンがメジャーになった頃から、フレディは自分がバイセクシャルであることを自覚し始める。 メンバーは不快感を示すも、フレディは一人の時間を過ごすのがとても苦手だったようで、そんな夜はゲイパーティーを催していた様子が描かれている。 やがてエイズに感染するフレディ、一時不仲になったメンバーとの関係を修復し、ライヴエイドの前にメンバーに感染を告白する。 命の灯火を全て吐き出すようにして神がかりのパフォーマンスを披露するフレディ、観客にもその迫力が伝わり会場全体の10万人が一体化する、歌い切ったステージのラスト、フレディはママに約束した投げキッスをするのだった。

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〓cinemaeyes

 クィーンのバンド発足は1971年、デビューは1973年、ボヘミアン・ラプソディーの全英9週連続1位は1975年、各自ソロ活動の開始は1983年、アフリカライヴエイドは1985年、フレディの死去は1991年でちょうどクイーン誕生20年目、ロック殿堂入りは2001年。

 重層録音シーンがある、重ね録りして音の厚みを増していた、これがクィーンのギターオーケストレーションだ、クィーンはシンセサイザーを使ってないんだぜ!は当時の会話だったことを思い出す。 ボヘミアン・ラプソディーの収録シーンではロジャー・テイラーがフレディからもっと高く、もっと高くと注文をつけられ何度も何度も歌い直すシーンがある、クィーンの高音パートの担当はロジャーなのだ。 メンバー各人が作曲し、次のアルバムにはどの曲を入れるか、収益のメンバー配分はどうするか?のシーンがある、4人全員が楽曲を提供できることも多様な曲調を生む背景となった。

 観客の年齢層がいつもより上、中高年がとても目立つ。 たくさん流れる名曲の数々、60歳代以上の老夫婦が手拍子をするのは微笑ましいが、手拍子が曲のリズムとどうしても合わない、何故かとても気になる光景だ。

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 フレディ・マーキュリー、本名はファルーク・バルサラ、フレディはインド系なのだ。 7歳の頃からピアノを習い始める。 ヒースロー空港で働いていたこともあり、本作ではスーツケースを運ぶシーンが見られる。

 本作では扱われなかったが、Teo Torriatte(Let Us Cling Together)(手をとりあって,作詞・作曲 ブライアン・メイ

1976年)は、アルバム「A Day at the Races(華麗なるレース)」のラストに収録されているフレディの日本語を聴ける楽曲だ。 東日本大震災チャリティ・アルバム「 Songs For Japan(2011)」では、この曲がDISC2の13曲目に収録されている。 コンサートでは6回来日、劇中にもTOKYOやOSAKAの文字が踊る。    日本でもブレイクしたことで、クイーンは日本のことを大切に思ってくれているのだろう。

www.foxmovies-jp.com

アンクル・ドリュー/原題 UNCLE DREW

爺さん、半端ないって!

仲間も金も青春も、全部バスケで取り戻す

〓DATE

2018.11.10(土) 15:30 Screen6

〓FILMMAKERS

監督 チャールズ・ストーン3世、脚本 ジェイ・ロンギーノ、製作会社 サミット・エンターテイメント 配給 ライオンズゲート(米国) REGENTS(日本)、公開 2018.6.29(米国) 2018.11.9(日本)

〓CAST

カイリー・アービング(現役NBA・オリンピック金メダリスト、アンクル・ドリュー)、シャキール・オニール(元NBA、身長216㎝空手家ビック・フェラ)、クリス・ウェバー(元NBA、ダックス)、レジー・ミラー(元NBA、ライツ)、ネイト・ロビンソン(元NBA、身長175㎝ブーツ)、リサ・レスリー(元WNBA・4オリンピック連続金メダリスト、マヤ)、リルレル・ハウリー(ダックス)、ティファニー・ハディッシュ(元恋人ジェス)、エリカ・アッシュ(ブーツの孫マヤ)、ニック・クロール(ダックスのライバル  ムーキー)

〓閲覧年齢制限

なし

〓 ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 幼い頃、マイケル・ジョーダンに憧れていた少年、日々スリーポイントシュートの練習を重ねていた。 ある試合で得意のシュートを叩き落されて挫折、ストリートバスケットのコーチに転向していた。 そんな矢先、自分のチームの選手達も恋人もバスケの宿敵に奪われてしまう。 行き場を失っていた時、ストリートバスケで凄腕のおじいちゃんと出会う、おじいちゃんの仲間を各地に迎えに行きバスケチームを編成、ストリートバスケット(ラッカークラシック)で優勝するまでの物語だ。

 現在NBAで活躍中でリオ五輪バスケ金メダリストのカイリー・アービングと、元NBAのスター選手4人がおじいちゃんにメイクしてバスケの凄技神業を連発させる。 このおじいちゃん達、皆70歳代くらいの設定で、老眼で目が遠かったり、長年の車椅子生活だったり、牧師だったり、空手道場の師範だったり、なのが、ボールを手にした途端にバスケットの超絶テクニックを解放するものだから、ちょっとTBSの「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」も連想させるストーリーだ。 

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〓cinemaeyes

 お笑いの要素いっぱいのコメディ映画ともいえる本作、ダックス役のリルレル・ハウリー、元恋人ジェス役のティファニー・ハディッシュの二人は実績のあるコメディアン俳優だ。 飛び出す機関銃トークは大阪芸人をも思わせる。

 劇中にはたくさんの名ゼリフや新しい格言が飛び交う、バスケット経験がある人にもない人にも、老後生活を送る人にも、アンクル・ドリューは映画を観る人すべてに対し、自らを振り返させるような優しい言葉をたくさん語りかけてくる。「常に光らなくていいんだ、光るのは1回でいいんだ」、「やるかやらないか選択するのは今だ」

 満員の観客席には、明らかに現役のバスケットボール部と思われる中学生グループや高校生グループが目立つ、部活の後なのだろうか? アンクル・ドリューは「バスケットへの愛」を多く語る、繰り出される超絶テクニックの前に、まずバスケットが好きなのだ。 バスケが好きで練習を始める→できなかったプレーができるようになる→もっと好きになる→次のプレーもできるようになる→ますます好きになる→・・ この善のスパイラル、スパイラルアップはバスケット以外のすべての物事にも言えることだ。 まさに「好きこそ物の上手なれ」、「塵も積もれば山となる」。 低迷続く日本男子バスケ界、たくさんの有望な若者が出て来て欲しいものだ。

 本作のキャッチフレーズのひとつが「爆発的人気のペプシCMがまさかの映画化!」だ。

 本作の主人公は誰か? 映画名が『アンクル・ドリュー』だから、それはドリューだろうが、映画を観てみるとダックスの方が主人公らしい気もする。 これに似た典型例は「ドラえもん」だ、ドラえもんの主人公はあくまでものび太なのだ。 ドリューが残り1分、ダックスに決めろと言ってコートに立たす。 ダックスが決めたスリーポイント、本作はダックスが立ち直る再生のストーリーでもある。

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uncledrew.jp

ヴェノム/原題 VENOM

スパイダーマンの宿敵 マーベル史上最も残虐な悪 ヴェノム

〓DATE

2018.11.3(土)Screen10

〓FILMMAKERS

監督 ルーベン・フライシャー、制作・総指揮 スタン・リー、脚本・原案 ジェフ・ピンクナー&スコット・ローゼンバーグ&ケリー・マーセル、美術 オリバー・ショール、配給 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

〓CAST

トム・ハーディ(エディ・ブロック)、ミシェル・ウィリアムズ(アン・ウェイング)、リズ・アーメッド(カールトン・ドレイグ)

〓閲覧年齢制限

PG12(Parental Guidance)

〓 ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 「ヴェノム」はシンビオート(液状の生命体)のダークヒーローだ。 『スパイダーマン3(2007)』ではピーター・パーカーにも寄生したが、詳しくは描かれていなかった。 今回いよいよマーベル・コミックを代表するダークヒーローが主人公となって実写化され、満を持しての登場となった。 本作でもスパイダーマン3と同様、ヴェノムは宇宙から飛来するが、人間に寄生するまでの過程が本作ではより現実的に、より丁寧に描かれている。

 シンビオートによっては個性の違いがあり、さらには寄生する宿主によっても発揮できる力に違いがあるようで、その点エディの体はとても相性が良いようだ。シンビオートが高周波の音に弱いのはスパイダーマン3と同様の扱いだ。

 宇宙に再び戻り、仲間のシンビオートをたくさん連れてきて地球を征服するという最悪のシンビオート「ライオット」に対し、ヴェノムとエディそしてかつての恋人アンが立ち向かうという構図だ、ヴェノムはこの地球が気に入ったのだという。

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 見た目は最悪で人間を食らうヴェノムだが、直接の残虐シーンはさほど無い。 特にラスト近くではヴェノムとエディの掛け合いを楽しめる。 エディがヴェノムに諭す「善人を食べてはダメだ、悪人だけだ」、ヴェノムも言う 'We Are VENOM'   'We can do whatever we want.' 新しいダークヒーローの誕生だ。

〓cinemaeyes

 『スパイダーマン3(2007)』の時のエディ・ブロックはトファ・グレイスが演じていた。 この時はピーターと同じ新聞社でスクープを争うカメラマンの設定、スクープ写真が採用されるためには不正も厭わず、ラストにちょっとだけヴェノムに寄生される役柄だった。 

 本作のエディ・ブロックを演じるトム・ハーディスパイダーマンの時のエディとは違って、今回のエディは正義感の強いテレビレポーター役でオープニングからラストまで写りっぱなしだ。 ハリウッドデビュー作は『ブラックホーク・ダウン(2001)』、その後は『インセプション(2010)』、『ダークナイトライジング(2012)』、『マッドマックス怒りのデスロード(2015)』、『レヴェナント:蘇りし者(2015)』などに出演している。 『ダンケルク(2017)』では撤退する連合軍を燃料が尽きるまで戦闘機スピットファイヤで守ったパイロットを演じた。

 ヒロインのアンことミシェル・ウィリアムズ、ミニスカート姿がとても似合う。『グレイテスト・ショーマン(2017)』での母親姿からはかなり若返った外見の役柄で、楚々とした美しさは相変わらずだ。

 ヴェノムはVFXを駆使して描かれる、あのシンビオートの流動する画像は一体どのようなコンピューターやソフトを使用しているのだろうか・・、最新最高スペックのCG機器を使用していることだけは間違いない。

 サンフランシスコの街中で繰り広げられるバイクとクルマのチェイスシーン、坂の街だから登りのシーンがあれば必ず降りのシーンがあるのだ。 多くの映画でカーチェイスが扱われるが、起伏があれば必ずジャンプシーンが付きもの、バイクもクルマも大ジャンプ、ハラハラドキドキ度は更に深まるのだ。

 ラスト、エディがレポーターの仕事で訪れる刑務所、そこにいた殺人鬼はもしかするとライフ財団でシンビオートの寄生実験にされていた人だろうか? 次作がある場合はこの殺人鬼との戦いが予見される。

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 アベンジャーズへのヴェノムの参加可能性はあるだろうか? ソニーがヴェノムの映画化権をマーベルスタジオに貸し出さない限り、現時点ではそれは難しそうだ。 では、もし仮にマーベルスタジオでアベンジャーズの映画化が可能になった場合ではどうだろうか? かつて敵対したスパイダーマン、が既にいることからは人間関係からして難しいかもしれない。 また、そもそも人間を食べてしまうダークヒーローがアベンジャーズに名を連ねることは、日頃から世間の風当たりが強いことから、トニー・スターク(アイアンマン)がまず認めないとも思われるのだが如何だろうか?

 スタン・リーさん、カメオ出演あります。 ラスト、ヴェノムとエディの掛け合いに、さらに被せてくるようなリーさんのセリフを楽します。

 ※追伸、2018年11月12日、スタン・リーさんが95歳で亡くなられました。 故人の安らかなるご冥福を心よりお祈りいたします。

www.venom-movie.jp

 

search/サーチ /原題 Searching

娘を検索するー初めて知る

〓DATE

2018.10.28  日曜日 Screen6

〓FILMMAKERS

監督 アニーシュ・チャガンティ、脚本・製作 セブ・オハニオン、製作 ティムール・ベクマンベトフ、配給 スクリーン・ジェムズ(米)ソニー・ピクチャーズ(日)

〓CAST

ジョン・チョー(デビット)、ヴィック捜査官(デブラ・メッシング)、マーゴット(ミシェル・ラー)、ピーター(ジョセフ・リー)

〓ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

最初から最後までがパソコン画面の中だけで進行する。

PCを購入してアカウントを設定する冒頭シーンから、衝撃のラストシーンまでが全て画面の中だけなのだ。

斬新でチャレンジングな映画創作の中に、家族の死、子供の日常、SNSのリスクなどが描かれていく。

〓cinemaeye

 鬼籍となった妻のことには触れまいとする父、亡くなった母への断ち切れない思いでいっぱいの娘、すれ違う父と娘の思いがそれまでの日常を少しずつ変えていく。これら全てがパソコンの中で描写されていくが、用いられているツールは、写真・動画・YouTubeInstagramTwitterFacebookFaceTimeTumblr・防犯カメラ・TVニュース・電話、などだ。現代社会はこれらのツールで日常生活のほとんどが網羅できるのだ。

 「エダマメ」、そう最近では Green soybeans だけではなく edamame もそのまま使われるようになっているという。tempura や sushi のように食べ物や料理そのものが認められ、日本語が英語化、国際化している事例は何だか誇らしいものだ。

 主人公の家族はアジア系だ、ハリウッド作品でありながらアジア系が主人公となるのは実に嬉しいものだ。今後は100%PC中ではない作品でも主役に抜擢されるよう期待したいところだ。

 劇場用映画デビューとなった監督のアニーシュ・チャガンティと、脚本・製作のセブ・オハニオンは南カリフォルニア大学の映画制作のクラスで学生と指導者として出会ったという。チャガンティはグーグルグラスで撮影した短編映画『Seeds』が話題となりグーグルに招かれ、この時の技術がこの『search/サーチ』に生かされているそうだ。

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www.search-movie.jp

 

デス・ウィッシュ/原題 Death Wish

外科医から処刑人へー。家族を失った男の復讐が加速するハード・リベンジ・アクション!

〓DATE

2018.10.20 土曜日 Screen6

〓FILMMAKERS

監督 イーライ・ロス、脚本 ジョー・カーナハン、配給 ショウゲート

〓CAST

ブルース・ウィルス(ポール・カージー)、ヴィンセント・ドノフリオ(フランク・カージー)、エリザベス・シュー(ルーシー・カージー)、カミラ・モローネ(ジョーダン・カージー

〓ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 舞台はアメリカのシカゴ、犯罪件数があまりにも多く、警察の捜査は追いつかない。事件に遭った市民は警察が来るのは事件の後だとして落胆している。シカゴ病院で救急患者を扱う外科医カージーは次々と運ばれて来る救急患者を扱う外科医、シカゴの高級住宅街で妻、娘と共に裕福で幸せな日々を過していた。

 ある日、犯罪グループがカージーの自宅に押し入り妻と娘を襲う。犯人捜査が一向に進展しない中、カージーは銃を扱ったことがなかった状態から自らで犯人へ復讐すべく、徐々に準備を進めていく。

 やがて、犯人の手掛かりを探すため危険な夜の街に出向くようになり、事件現場に遭遇して市民を救う、その様子がSNSで拡散してしまい ′死神′ として賛否両論が沸き起こる、はたして ′死神′ は善か悪か?   スマホSNSYouTube、銃規制・・アメリカ社会の様子が描かれながらストーリーは壮絶なラストを迎える。

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 〓cinemaeyes

・銃規制について

 劇中、アメリカの銃規制の現状を目の当たりにすることになる。客で賑わう銃砲店、若い女店員がまるで日用品を扱うようにして説明をしていく。アメリカ製の最新式の銃、ナイフ、子供向けの銃、自動小銃、銃を所持できるまでの手続きは70時間程度だとして手際よく説明されていく。「講習さえ受ければ誰でも簡単にライセンスは取得できるのよ」と女店員が囁く、恐ろしいアメリカの銃社会だ。

 アメリカ合衆国憲法には武装権があり、これは個人が武装する権利との連邦最高裁の判決が示されている(Wikipedia)。

    日本では古くは刀狩りから、現在の銃砲刀剣類所持等取締法に至る歴史の中で所有が厳しく規制されてきたから、銃犯罪はアメリカより少ないのが幸いだ。歴史の授業で学んだ豊臣秀吉による1588年の刀狩令、今の日本人はこの恩恵にも預かっているのだ。

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・戸建てのセキュリティ

 この映画に登場するカージー家、高級住宅街にあり、犯罪が少ないからセキュリティをつけていない設定としたのだろうか?    大きなお屋敷で三人暮らし、しかも唯一の男は仕事で不在がちなのに、そもそも随分と不用心過ぎる設定なのである。 高級なBMWやポルシェカイエンを所有する裕福な家庭なのだから、月々のセキュリティ代など大した負担ではないはず。

 いや待てよ・・、もしかするとセキュリティ会社そのものが信用できないという設定だったのかもしれない、もしそうなると、シカゴはたいへんな犯罪都市ととなるのだが・・。

・シカゴ

 市内の特徴はビルの間を走る高架鉄道だ。 高架にあるホームとは階段で昇り降りするが、この光景は映画バットマンシリーズでもお馴染みだ。

・原作

 ブライアン・ガーフィールド狼よさらば(原題:DEATHWISH)」1972年 を元にしたチャールズ・ブロンソン主演『狼よさらば(1974)』のリメイク版が本作だ。

・原題

 原題の「Death Wish」、直訳すると「死の願望」となるが本作の内容とは直ぐには結びつかない。ブルース・ウィルスだから過去の作品からして先入観があるからだろうか? 

    最愛の妻を亡くし、娘を寝たきりにさせてしまった喪失感、無力感の日々を送る状態から脱し、自らの手で犯人へ復讐するという境地、自らが犯罪者を裁くという境地に至った時、Dr.カージーは自身の死など恐れなくなったのだろうか?    この境地がまさしく「Death Wish」なのだろうか?

イーライ・ロス監督

 日本では『ルイスと不思議の時計(2018)』も本作と同じ10月に封切りとなったが、この作品も同じイーライ監督だ。俳優業もプロデュースもこなす引っ張りだこの監督だ。 

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http://deathwish.jp

イコライザー2/原題 THE EQUALIZER 2

《イー》

〓DATE

2018.10.6 土曜日 Screen6

〓FILMMAKERS

監督 アントワーン・フークア(『マグニフィセント・セブン(2016)』)、脚本 リチャード・ウェンク(『マグニフィセント・セブン(2016)』) マイケル・スローンとリチャード・リンハイムによるTVシリーズに基づく 撮影 オリバー・ウッド 製作会社 コロムビア映画 エスケイプ・アーティスツ 配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテイメント 公開 🇺🇸2018.7.20 🇯🇵2018.10.5

〓CAST

デンゼル・ワシントン(ロバート・マッコール)、デイブ・ヨーク(ペドロ・パスカル:CIA元同僚、『キングスマン:ゴールデン・サークル(2017)』)、アシュトン・サンダース(マイルズ・ウィタカー:黒人青年、『ムーンライト(2016)』)、ビル・プルマン(ブライアン・プラマー、『インディペンデンス・デイ(1996,2016)』、メリッサ・レオ(スーザン・プラマー)

〓ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 『イコライザー(2014)』の続編、普段、マッコールはその経歴を生かして地域の不正を正しながら生きている、前作ではロシア系の歌手を目指す女の子を救う課程でロシア系マフィア組織を抹消した。今作ではアパートに住む十代の黒人の若者(マイルズ)を悪への道から救う課程の中で、この若者もイコライザー同士の戦いの中に巻き込まれていく。

 CIA時代の今も良き理解者である元上司スーザンが殺される。つい数日前にマッコールはスーザンより「家に戻るべき」との助言を受けていたばかり、前作ではロシア系マフィア組織を抹消することの許可を暗に得ていた信頼おけるスーザンであった。

 スーザンの死因調査を進める中で、CIAの元同僚達の関与が発覚する、彼らもまたイコライザーとしての道を歩んでいた。

 スーザンの復讐というメインのストーリー展開のサテライトとして、誘拐された女の子の救出(キャリアウーマンの娘、本屋の娘)、マイルズのストリートギャングたちからの救出、暴行を働いたエリートビジネスマン風の若者グループの成敗、戦争で引き裂かれた老紳士とその姉との再会、など地域の市井の人々の手助けも描かれる。

〓cinemaeyes

 イコライザーの意は、均一化するもの、平行装置、同点弾、同点シュート。この映画では’世の不正を完全抹消する[仕事]請負人’を意味するようだ。

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 「お前は一体何者だ?」「あんたは一体何者なんだ?」、マッコールは普段の仕事は運転手、前作ではホームセンターの店員なのに、不正を正す時は凄腕だから、抹消される犯罪者や救出される人々は皆、驚きのこの声をあげる。この言葉は前作から共通だ。

 近接格闘戦が描かれる作品では主人公の鍛え抜かれた肉体が映し出されることが多い。しかし、本シリーズではマッコールの肉体がアップになることはない、ガッチリした身体であることはシルエットから分かるのだが、果たしてデンゼル・ワシントンの肉体も鍛え抜かれているのか?その正体は不明だ。

 「2kgだ」、マッコールがマイルズに引き金を引く力は2kgだと言う、たった2kgの力だけで命を奪うことができる、でもその瞬間の重みを知れとしてマイルズをさとす。そう言えば、握力測定すると20kg台だったはず、その10分の1だ。

 マッコールのお陰で更生するマイルズ、壁に描いた絵はただならぬ画家としての片鱗を見せる、そう、社会ではなかなかその様な才能の機会を与えられることは少ないのだ。時折、小学校の壁や、小学校近くの道路の壁面などに生徒達が描いた作品を見かけるが、アートを志す若者に公共の場を使って定期的に発表の場を与えることはできないものだろうか?きっとたくさんの才能を発掘できるはずだ。

 マイルズは通学するバスの中でもスケッチ画を描くほど絵に夢中になっている、覗き込む女学生に「それはヒーロー?どんな能力があるの?」と問われ、「隠し部屋のスィッチを持ち、セダンの運転ができる」と応えたら女学生が優しく笑う、新しい恋が芽生えたシーンだ。この隠し部屋にはマッコールの軍服があった、胸にはたくさんの勲章が飾られている、きっと従軍当時も相当な活躍をしていたのだろう。

 マッコールは単なる肉体派ではない、スーザンの携帯情報を分析したり、スーザンの宿泊していたホテルにハッキングして記録映像を確認するなど、犯罪に巻き込まれるに至った経緯を探っていく、恐らくCIA在籍当時に叩き込まれたであろうハッカーとしての能力も兼ね備えているのだ。この点はアローやバットマンの様に大掛かりではなく、ノートPC(VAIO)一冊で犯行に至った経緯を割り出して行くのはシンプルで凄い。

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 戦闘することを決めた時、冷静な目が周囲の敵の武器や戦闘に使えそうな身の回りのものを一瞬で見定め(イコライザービジョン)、腕時計のストップウォッチを押す。この特徴ある大きな丸い腕時計はそうSUUNTだ。近年、特にアウトドアを楽しむ方は腕時計を選ぶ際に選択肢に入る腕時計ではないだろうか?

 読むべき100冊の本、亡くなった妻が好きだった読書、マッコールも妻を追い求める様にして読破を目指している。前作では「老人と海」、今作では「世界と僕の間に」「シッダールター」「アメリカの息子」。そして100冊目の「失われた時を求めて」を読み始める時に今回の事件は起こった。

 デア・デビル、スパイダーマンバットマンは頼りになる市井の正義の味方だが、とてもなれそうにない。しかし、このマッコールなら、もしかしたら近くにいるかもしれない正義の味方、この作品も立派なヒーロー映画の一つなのだ。

www.equalizer2.jp

 

 

 

スカイスクレイパー/原題 SKYSCRAPER

家族のために、パパ飛びまあああああっす!

史上最大に、デカイ建物。史上最高にヤバイ救出。

〓DATE

2018.09.22 土曜日 9:20 Screen8

〓FILMMAKERS

監督 ローマン・マーシャル・サーバー 配給 ユニバーサル、東宝東和

〓CAST

ドウェイン・ジョンソン(ウィル・ソーヤ)、ネーヴ・キャンベル(サラ・ソーヤ)、チン・ハン(ジャオ)、パブロ・シュレイバー(ベン)、ハンナ・クィンリヴァン(シア)

〓ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 テロリストから大切な家族を守るためには、パパは飛ぶんです。

 随所のサスケオンパレードには足がすくみっ放し、自分だったらできるかな?とかハラハラ、ドキドキの連続。東京スカイツリーのガラス床で心臓が飛び出そうだった方は潔く目をつぶることをお勧めする。映画にはR指定があるが、高所恐怖症の方用にはH(high)指定があった方がいいかもしれない。

〓cinemaeyes

 スカイスクレイパーの意は超高層建築物、摩天楼だ。

 ドウェイン・ジョンソンの運動を水平投射に置き換え、x軸の水平方向とy軸の鉛直方向に分解すると、クレーンから足を離した瞬間の初速度と、下向きの重力とで描かれる2次曲線の軌跡からして、超高層ビル ザ・パール に飛び移ることははたして可能か? y軸の下向きの速度は次第に増していくのだから、体重118kgというドウェインの初速度には相当な速度がないと成功しないのだ。でもこの計算には足りないものがある、それは家族を守るという揺るぎない気持ち、そう、上向きの加速度だ。

 同様な事象がつい数ヵ月前にあった。『ミッションイン・ポッシブル フォール・アウト(2018)』でもトム・クルーズがこの課題に直面した。もっと短い距離だったにも関わらず、全治9カ月の骨折を6週間で復帰するという重傷を負っていたのだ。

 ハンナ・クィンリヴァンさん、台湾出身のモデルで女優だ。キレキレのアクションは深い印象を残す、SNSのフォロワー数は数百万人という。

 チン・ハンさんはシンガポール出身の俳優だ。『ダークナイト(2008)』や『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』、『ARROW(ドラマ)』にも出演しているアジアを代表する男優の一人だ。

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skyscraper-movie.jp